序論:われわれは手指外傷による骨折に対する骨接合で,可能な症例であれば吸収性スレッドピンによる髄内固定を行っている。
方法:2019年4~5月の2ヵ月間に当院に搬送された手指の骨折や切断などによる開放性骨折(全14症例20部位)に対して,スレッドピンによる髄内固定を第一選択に考え,積極的に適応し,骨折形態や骨折部位別の固定方法からスレッドピンの適応について考察した。
結果:鋼線による固定を行ったものが15例(75%),スレッドピンによる髄内固定を行ったものが4例(20%),両者を併用したものが1例(5%)で,全例で良好な骨癒合を認めた。
考察:本法のよい適応は,骨幹部での横骨折,斜骨折症例や関節固定症例である。適応外症例となるのは,粉砕骨折の症例や骨片が小さいことでスレッドピンが固定できない場合である。今後は,非開放性骨折症例にも応用し,適応の拡大について検討していきたいと考えている。