抄録
マヨネーズおよび分散媒, 分散相の流動特性について, 温度の影響を検討した. 静的方法としてE型粘度計, 動的方法としてレオログラフを用いて実験を行った結果,
1) マヨネーズおよび分散媒は8~35℃の範囲内で, 温度上昇に伴い, みかけの粘性率, 降伏応力, 動的弾性率, 動的損失が減少し, 45℃で増加あるいは停滞した.
2) 分散相はニュートン流動を示し, 粘性率は8~45℃の範囲内では温度上昇に伴い, 単調に減少した.
3) マヨネーズおよび分散媒のみかけの粘性率より, みかけの体積分率を求めたところ, 実際の体積分率71.3%よりも35~39%の増加が認められた.
4) マヨネーズおよび分散媒について, 流動方程式の定数である粘稠性係数Kおよび流動性指数nが得られた.
5) マヨネーズ, 分散媒および分散相の流動のみかけの活性化エネルギーを求めたところ, マヨネーズで3~4kcal/mol, 分散媒で7~11kcal/mol, 分散相で8kcal/molであった.