創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
特集2:下肢~足切断術の新しいアプローチ
重症下肢虚血の大切断の前には血流評価が必要である
- 大切断のために血行再建術を施行した 5 例の検討
古川 雅英佐藤 精一松本 健吾澁谷 博美
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2012 年 3 巻 3 号 p. 129-138

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抄録

足関節より近位での切断を大切断といい, 重症下肢虚血 (critical limb ischemia : CLI) の治療において, 救命や除痛, 再建不能などの理由で救肢ができず, 大切断を余儀なくされることがある。しかし, 病状によってはその大切断でさえ安全ではない。私たちは当科で大切断を目的に血行再建術を施行した 5 例について検討した。その結果, 全例再手術することなく創治癒していた。また 4 年以上の経過観察期間において死亡例は 1 例であり, いわゆる重症下肢虚血における大切断後の予後よりもよかった。大切断が必要な症例においても切断部位の血流精査を行い, 切断に耐えられる血行再建術を施行することは, 生命予後の改善においても有用であると思われた。

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© 2012 一般社団法人 日本創傷外科学会
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