抄録
NPWT 機器がわが国で保険承認されて以降,NPWT は創傷管理における重要なツールの一つとなった。一方で半閉鎖環境を形成するために感染制御に用いることは困難であり,場合によっては感染の増悪をきたす。諸外国においては創部の洗浄と NPWT を組み合わせたデバイスを利用できるが,わが国においてはまだ保険承認されていない。われわれは既存の NPWT 機器を,陰圧環境を作るためのモーター源として利用する工夫を行った。本法を 12 名の慢性骨髄炎症例など感染が沈静化しきれていない創部に用いた結果,その大半において良好に wound bed preparation (WBP) を行うことができた。また,本法では安定した陰圧環境の形成・ADL の向上が得られた。われわれが行っている “ 限局的洗浄型 NPWT法 ” について報告する。