抄録
指尖・指腹部欠損の再建では,皮膚の類似性や安定性,知覚の獲得,瘢痕が比較的目立たないなどの点から,同一指の掌側に作成する Step V-Y 前進皮弁を用いている。ステップ状の皮弁デザインにより,遠位指節間皮線をこえる自由度の高い皮弁のデザインが行え,縫合線がジグザグとなるため,その波線効果により瘢痕拘縮を予防することが可能である。皮弁のデザインにおいては,指節間皮線に皮膚切開が直交しないようにすることや,ステップの角度を 90°以内の鋭角にすることなどの基本を守り,V-Y 前進法と W 形成術に習熟することが必要である。デザインや手技のポイント,工夫などを詳述し,代表症例を提示して報告する。