2017 年 8 巻 4 号 p. 137-142
脊髄損傷患者の多くは,車椅子を使用し活動性の高い生活を送っているにもかかわらず,知覚麻痺を有するため褥瘡が重症化しやすく,再発を繰り返す例が多い。褥瘡治療には,患者それぞれの褥瘡発生要因を明確化していくことが重要であるが,具体的な方法や指導内容などの報告は少なく,その方法に苦慮することが多い。
当院では,データーベースに沿って患者の詳細な生活状況を問診し,そこから患者の問題点を抽出し,指導を行っている。指導を行うことで,再発防止につながり良好な結果を得ている。また,時間はかかるが閉鎖術を行わずとも治癒する場合もある。当院で行っている生活環境整備,生活習慣指導について,閉鎖術を行わずに治癒した症例を例にあげて報告する。