創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
原著
Blowout骨折:骨折後端を確実に見るための内視鏡併用手術
大島 希実子加藤 久和神山 圭史
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キーワード: 眼窩骨折, 内視鏡, 併用, 手術
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2018 年 9 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

 Blowout骨折の手術において,われわれは骨折の後端を見て,眼窩内組織をそこから剥離した後,これを整復することを重要視している。骨折の後端が深部であるほど,外眼筋周囲の組織には余裕がなく,骨折縁に外眼筋が接することになるため,より眼球運動が制限される可能性があると考えているからである。しかし,骨折の後端が深い場合,経眼窩アプローチでは直視することがむずかしい。当科では,骨折後端を見るために内視鏡を併用しているので,その概要を報告する。
 内視鏡は通常の鼻内手術と同様に中鼻道からアプローチし,眼窩底骨折の場合は上顎洞経由で,内側壁骨折では篩骨洞経由で眼窩壁を観察する。
 複視が残存している非新鮮例では,骨折の後端で眼窩内組織が癒着していることが多く,眼窩からのアプローチでは視認することが困難な場合もある。内視鏡併用手術はこの欠点を補い,確実に骨折後端を確認することができる方法である。

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© 2018 一般社団法人 日本創傷外科学会
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