抄録
腹壁に生じた術後創部感染症に対して,局所陰圧閉鎖療法(NPWT)は有効な治療法の一つである。しかし,創部がストーマに近接している場合は,NPWT用のドレープフィルムとストーマパウチのいずれも十分に貼付しなければ剝離され,リークの原因となるが,創部とストーマ間の貼付可能な面積は限定される。このことがストーマに隣接する創部管理を複雑にする。われわれはソフトシリコン固定用テープの物性的特性を利用し,ドレープフィルム,ストーマパウチのいずれも容易に安定して貼付することを可能とした。本法はNPWTとストーマとを独立して管理することができるため,医療経済的にも有用である。