移植
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当科におけるCOVID-19感染症に対する体制作り
今岡 祐輝大平 真裕佐藤 幸毅谷峰 直樹黒田 慎太郎田原 裕之井手 健太郎小林 剛田中 友加大段 秀樹
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 256_2

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抄録

COVID-19によるパンデミックは急速に進展し、生活スタイルの変化や医療体制だけでなく移植領域においても多大な影響を受けている。広島県では2020年3月7日に県内1例目のCOVID-19感染者を認めた後に累計168名の感染者数を認めている。(2020年6月末現在) 当科におけるCOVID-19への取り組みを報告する。主な取り組みとして、当研究室でのCOVID-19のqRT-PCR検査体制の確立、Web会議の導入、HUCPC(Hiroshima University COVID-19 Peaceful Center)への参加などが挙げられる。これまでに計14例の術前qRT-PCR検査を当研究室で実施した。結果はすべて陰性であった。今後は、移植前スクリーニング検査に加え、HUCPU(Hiroshima University COVID-19 Peaceful Center)の一員としてCOVID-19再流行時の当大学ならび大学病院職員・学生を対象とした検査や保健所のバックアップ検査ができる体制の整備を進めている。流行初期段階で、ウイルス学研究室ならびに感染症科と協力して、当科研究施設でのqRT-PCR検査体制を確立することで脳死レシピエントや術前患者・入院患者へのスクリーニング検査導入を迅速に対応可能であった。未曾有の危機に対し、移植領域でも柔軟な対応が求められる。

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