移植
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医療者向けガイドブックの作成について~九州沖縄地方での病院啓発に向けた取り組み~
岩田 誠司竹田 昭子荒木 千代美吉田 清美園田 美香中川 かな子山口 圭子仲間 貴享勝連 知治
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s1

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抄録

移植コーディネーター(CO.)による病院啓発の目的は、終末期患者やその家族の臓器提供に関する、「提供したい・したくない」といった意思を尊重できる体制づくりの支援であり、その体制の拡充によって、臓器提供者数の増加は結果的に見込まれると思われる。

家族からの偶発的な申し出に頼らない体制の確立というのは、今後の移植医療推進の大きな鍵を握っていると言える。

しかしながら、『臓器提供の意思を確認する』という行為については、救命に全力を注ぐ医療者にとって大きな負担であることは言うまでもなく、また義務化された行為ではないため、実施する医療機関を拡大することは容易なことでない。

また、最近では新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、移植Co.による病院訪問や臓器提供のシミュレーション、研修会開催などの病院啓発活動も制限されており、この状況が続けば、これまで地道に培ってきた移植医療への関心が病院内で薄れていくことが懸念される。

そこで、病院啓発活動の縮小による影響を補うために、臓器提供に関する患者や家族の意思を尊重することを目的とした医療者向けのガイドブック「わたしたちはこう伝えています」という冊子を九州沖縄地区の移植Co.が共同で作成した。

冊子の内容や病院からの反響、活用方法について紹介する。

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