2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s146
臓器移植前に実施するクロスマッチ検査は, 検査施設により検査方法や判定基準が異なり, 検査結果に差を認める場合がある. これらを是正する目的として日本移植学会と日本組織適合性学会では, 全血を使ったクロスマッチ精度管理を連携して行い, 今回で9回目となる. 日本移植学会よりドナー全血サンプルを配布し, 各検査施設にてリンパ球を抽出する. レシピエントの血清は日本組織適合性学会が Quality Control Workshop で使用するサンプルより指定したものを使う. これらを各施設でクロスマッチ検査を実施し結果報告する. 今回の参加施設は47施設の参加であった. また昨年度よりABO血液型抗体価の精度管理も追加で実施しているが血液型抗体価も施設間差が大きく, 脱感作時の指標として他施設と比較する場合には注意が必要である. 当日は参加施設の検査データを集計した解析報告を行う.