移植
Online ISSN : 2188-0034
Print ISSN : 0578-7947
ISSN-L : 0578-7947
LABScreen Mixedの判定基準についての検討
古澤 ミユキ石田 英樹海上 耕平八木澤 隆史神澤 太一尾本 和也田邉 一成高木 敏男
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s154

詳細
抄録

抗HLA抗体スクリーニング検査と抗体特異性同定検査が、臓器移植後に保険収載となり約3年経過した。中でも、スクリーニング検査は、いかに偽陰性を出さないように検査を行うかが重要な検査法である。今回われわれは、2020年11月から2021年1月までに測定可能であった204症例を対象にLABScreen mixedを用いて、抗体特異性検査同定検査法との相関について検討を行った。検討方法は、スクリーニング検査の判定基準を、HLA-Class1 , 2ともにcut off 1.5 , 2.5 , 3.5 , 4.5の4群に分け、解析を行った。なお、測定条件を同一にするために、同一ロットで一人の技師が測定および解析を行った。結果は、Cut off1.5のLABScreen mixとsingle antigenの乖離率は、Class1 :7(3.4%),Class2: 9(4.4%)、cut off2.5は、Class1:15(7.4%),Class2:9(9.3%)、cut off3.5は、Class1:19(9.3%),Class2: 35(17.2%)、cutoff4.5は、Class1:19(9.3%),Class2:35(17.2%)であり、cut offを上げると乖離率も上がる傾向が認められた。スクリーニング検査の役割を把握した上で、自施設の測定値を考慮した、適切なcutoffの設定が重要であると思われた。

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top