移植
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臨床工学技士の働き方改革 ドナーチームに同行している臨床工学技士の業務時間を短縮するために
柏 公一黒澤 秀郎高橋 舞朝倉 陽香藤谷 早織藤城 和樹飛田 瑞穂谷田 勝志村澤 孝秀久保 仁土井 研人木下 修小野 稔
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s186

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抄録

当院の臨床工学部門の中でも特に、人工心肺の操作や補助循環の管理を主たる業務としているチームの長時間労働については以前より問題視されていた。そのような中、2018年6月に働き方改革関連法が成立し、残業時間に上限が設けられたことによって、本格的に長時間労働の是正が求められるようになった。これまでに様々な取り込みを行い、私たちが遵守すべき条件は辛うじてクリアしてきてはいるものの、他のチームと比較するとどうしても長時間労働に陥りやすい環境下で業務を行っているのは否めない。私たちは当院第1例目の心臓移植実施時より臨床工学技士をドナーチームの一員として派遣してきた。現在は5、6名のスタッフがこの業務を行うことができ、ドナー手術が終了した後に公共交通機関を利用して帰院している。本業務は出発の時間から超過勤務扱いとなるため、土日祝日においては1回の派遣で16~17時間の超過勤務がつく場合もある。業務時間の短縮を目的に臓器搬送を担当したが、数例で頓挫してしまい、労働時間を管理する立場の者からするとドナー手術での業務は多大な超過勤務時間がついてしまう頭を悩ます業務になりつつある。心臓移植の場合、心摘出後から閉胸に至るまでの時間は待機しているのみである。労働時間の短縮が求められている今、閉胸担当医師を確保しておくなどして、このような時間を削減することも考える必要があるのではないかと思う。

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