移植
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レシピエント移植コーディネーターのあるべき姿~専従・専任それぞれの役割を経て今後の在り方を考える~
後藤 美香内田 緑三田 篤義大野 康成増田 雄一吉澤 一貴中澤 勇一池上 俊彦副島 雄二
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s31

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抄録

レシピエント移植コーディネーター(以下RTC)の認知および業務環境は施設により様々である。また、専従配置できない職場環境や後進育成の困難さは各施設が抱える問題である。当施設では、臓器担当の専従RTCは1名が配置されており、2014~2019年度の期間は専従・専任の2名体制となった。その間、私自身は専従から部署異動により専任として兼務する事となった。しかし、後進の退職を機に2020年度より専従に戻り現在1名で従事している。専任という立場での実践や移植医療チームとの連携・調整を行い、改めて専従・専任双方の立場からRTCの今後の在り方について考察したので報告する。

2006年度より専従として従事した後、2014年度に後進に引き継ぎ集中治療部へ異動し、専任として後進の支援に加え、部署での移植看護教育を行った。部署では移植看護の標準化と看護ケアの底上げ、患者・家族の意思を尊重した検討と合意への看護実践、集中治療期から終末期医療への移行期も見据えたケアへの意識づけなどを通し、実践力を強化した。

部署におけるケアの質向上・安全な実践体制の整備には、専任の果たせる役割は大きく、部署内での人材育成、専従への支援、更には後進育成、チーム医療体制の強化へと繋がると考える。専任RTCとしての職務は、職場環境の制限下においてもRTCとしての一部の役割を実践できる有用な機会と考えられるが、後進を育成するためには専従RTCの方が果たせる役割は大きい。

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