移植
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膵・膵島移植医療実施における臓器・組織移植Coの連携
明石 優美加藤 櫻子吉川 充史纐纈 一枝會田 直弘栗原 啓伊藤 泰平剣持 敬
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s342

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抄録

 臓器提供は臓器移植法下で実施され、JOTにより斡旋が行われるが、組織提供に法律はなく、日本組織移植学会ガイドラインを遵守し、東西組織移植ネットワークに所属する各組織バンクにより行われている。このように法律の有無や斡旋母体の違いにより、承諾書等の書類やコーディネーター(以下Co)が異なる。しかし、提供するドナー・ドナーご家族にとっては、臓器・組織提供の区別はなく、同じ善意に基づく提供は同じである為現場での連携が必要不可欠である。

 当院は、2021年4月までに脳死ドナー12件・心停止ドナー248件、計260件の臓器・組織提供を行ってきた。当院での臓器・組織提供連携の取り組みとして、院内ドナーCoとして組織移植Coを含めた増員を図り、臓器・組織提供一括コーディネーションを実施、また学内の組織移植の啓発・教育を行ってきた。更に、当院は膵島移植施設であり、準備が整い次第全国の膵島提供に対応する。院外での組織提供の啓発も開始しており、JOTCoや都道府県Coとの連携を密に行っているところである。

 院内における臓器・組織移植Coの連携を進める中で、組織提供の認知上昇と、一括コーディネーションによるドナー家族・主治医等の負担軽減が可能となった。臓器・組織提供では、組織間の連携・現場ドナーCo連携が不可欠であるが、院内での取り組みをモデルケースとして、膵島提供における全国対応時にも汎用できる取り組みを検討する。

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