移植
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脳死臓器移植医療におけるレシピエント移植コーディネーターの役割~JOTNWのコーディネーターとの連携の重要性~
秋場 美紀
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s431

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抄録

脳死臓器移植を円滑に実施するには提供施設、日本臓器移植ネットワーク(JOTNW)、移植実施施設の施設間の密接な連携が求められ、レシピエント移植コーディネーター(RTC)はJOTNWのコーディネーターとの緻密な連携が重要である。

移植登録から待機中は、移植希望患者の登録作業、血清保存、待機更新の手続きなどを行い、突発的なドナー発生時にもスムーズに対応できるように連携をとっている。

脳死移植時は、JOTNWのコーディネーターとは早期化情報(あるいはドナー情報)から移植手術が終了するまで、数日にわたり密に連絡を取り、お互いの手術の進行状況を把握することが必要である。また、移植1年後までは4回、移植後1年以降は年1回のレシピエントの経過や生活状況の報告、患者・家族からのサンクスレターを送付するなど、継続した連携を行っている。

レシピエント・ドナー双方のコーディネーターは24時間365日いついかなる時でも対応が必要であり、数日にわたり拘束される時間が長い。最近は「働き方改革」が注目されているため、お互いを思いやり、簡素化できる対応に関しては簡素化を進めて、可能なかぎり拘束時間を短くしていくことが大切である。今後はコーディネーターの業務内容を明確化し、コーディネーターを目指したいと思う人材を増やしていくことも重要と考える。

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