2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s464
昨年度調査では、心臓移植実施施設11施設のレシピエント移植コーディネーター(RTC)は25名(認定RTC7名)であった。移植医療でRTCの必要性は認知されているが、社会的評価は高くない。昨年度の課題から認定RTCの価値を高めるにはどうしたらよいか考えたい。
1.昨年度の課題に対する現状
①心臓移植認定RTC取得に5年以上要し、モチベーション向上、定着、育成に繋がらない:認定実務要件改訂により取得し易くなり、モチベーション向上に繋がった。
②認定RTC取得に伴う待遇改善:専従施設9施設、兼任施設2施設と昨年と変わらなかった。
③認定RTCの価値:認定RTCと非認定RTCの業務内容は変わらない。認定RTCの診療点数加算ができないか。
2.認定RTC診療点数加算への提言
現在の診療点数で認定RTC加算を検討した。①移植後指導管理料:専任看護師と別に認定RTC加算②造血幹細胞移植コーディネート体制充実加算:臓器移植手術時認定RTCコーディネート加算③療養・就労療育支援管理料:RTCは植込型補助人工・移植後患者の復学・復職前から学校・職場関係者と面談・連携する。療養・就労療育支援管理料はがん患者の就業を対象とし、相談窓口は専任看護職員である。移植待機・移植後患者の就学・就労の適応拡大並び認定RTC加算が可能かと考える。
3.まとめ
認定RTCの診療点数加算によって認定RTC雇用、待遇改善、質の向上に繋がる。