在宅医療は、ADL低下となり通院困難となった方方のご自宅での生活を、在宅医(訪問診療)と多職種連携によって寄り添う医療である。臓器不全を合併し訪問診療を受けていることは多いが、移植前・移植後の患者が訪問診療を行う診療所に紹介されることは比較的稀である。移植主治医と在宅医の相互理解により、臓器不全の患者たちのQOLが高まることに期待したい。そのためには、①適切な在宅医とチームを組み、②二人主治医制を活用し、③適切な対診(コンサルト)関係と④移植医を中心としたチーム形成が大切である。今後は、⑤ジェネラルとしての移植医療を初期研修医にも指導され、⑥ACPをふまえた診療(一人暮らしを含む)・⑦グリーフケアをみすえた医療が、多職種連携の上で実現されることを願っている。