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機械灌流におけるICG代謝の時空間変化を用いた肝臓機能評価
小原 弘道二方 幹弥中條 哲也暮地本 宙己石井 大介岩田 浩義絵野沢 伸李 小康松野 直徒
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2021 年 56 巻 Supplement 号 p. s62

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抄録

器機能評価指標は極めて重要である。しかしながら,いまだその指標は確立されておらず、臨床利用の期待が高い恒温灌流保存においても乳酸値や胆汁の液性,臓器内の流動や逸脱酵素量が経験的に提案されているが,議論も多い.流動構造に着目した臓器機能評価指標は十分な検討がされていない。本報告では肝臓機能評価を行うためにICGを用いた時空間的な画像計測をおこない、肝臓内の流動と代謝に着目した評価手法を提案し,議論する.

【方法】 臓器機械灌流装置に加え、高感度CCDカメラ,レンズ,光学フィルタ・ICG励起用LEDで構成される光学系を用いて実験を行った。WIT(温阻血時間)30分・ 60分のブタ肝臓に対して復温機械灌流を施し、体外血液再灌流時に門脈からICGを注入した.励起用LEを用い, ICGを励起し、灌流開始後1時間における蛍光画像用い,臓器内の流動,代謝を評価した.

【結果】撮影された蛍光画像から、蛍光の観測される領域の全体に占める面積や蛍光の動態に差が見られた。また画像の上の蛍光値を用いて算出したICGの拡散係数を用いて肝臓上のICG代謝に対する定量評価を検討した。

【結語】ICGの蛍光特性を利用し、ICG代謝能を工学の知見から評価した。また機械灌流中の迅速かつ低侵襲な臓器機能評価法提案の可能性を示した。

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