移植
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今後求められる移植看護教育についての一考察~移植看護教育の実態調査から~
習田 明裕
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2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s139_2

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抄録

 移植医療が一般の治療として定着し、看護もその中心において移植看護を提供する役割を担っている。しかし、移植看護教育を概観すると、基礎教育においては未だマイナーな医療として認識され、一部腎移植を除き殆教育がなされておらず、さらに本邦の移植看護教育に提言をもたらすような研究は、国内外を問わず散見される程度である。こうした状況から、移植看護の実践能力向上を目指した教育プログラムの開発は急務なことである。こうした観点から、日本移植・再生医療看護学会の教育委員会では、移植看護教育に関する実態と今後求められる移植看護教育について、学術的観点から探索を行ってきた。前者については「わが国の看護系大学における移植に関する教育の実態」(添田他,2018)として、移植に関する基礎教育の講義内容の実態や教育上抱えている困難を明らかにした。また後者については「移植看護教育の実態とニーズに関する研究―移植看護教育のコア・カテゴリー抽出の試み―」(習田他、2020)として、基礎教育や継続教育の内容の実態やニーズとの乖離、さらに必要度の高い単元から探索的因子分析を行い、移植看護のコア・カテゴリーを抽出してきた。

 本シンポジウムのテーマである「移植看護学を創生」していく上で、上記研究の知見が少しでも役立ち、抽出されたコア・カテゴリーが移植看護教育のシーズとなり、移植看護教育を育む一助となることを願い、研究結果の概要を報告をさせて頂く。

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