移植
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コロナ禍の臓器提供・移植のあり方
吉川 美喜子山口 昴久
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2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s142_1

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抄録

新型コロナウイルス感染症蔓延下の令和2年度の脳死下・心停止後臓器提供数は平成14年度以来の低水準であった。一方で、特に心臓、肺、腎臓、眼球の移植希望登録患者数は令和二年度以降顕著に増加しており、臓器提供数減少に反し臓器移植の需要の増加がうかがわれる。コロナ禍の臓器提供・移植に係る研究事業として「新型コロナウイルス感染症流行時に移植実施施設において脳死下・心停止下臓器移植医療を維持推進するための調査研究と提言(伊藤班)」「コロナ禍における脳死下・心停止下臓器提供経験施設の実態調査に基づく臓器提供施設の新たな体制構築に資する研究(小野班)」「新型コロナウイルス感染症患者増加に伴う社会情勢下において、安心安全に生体肝・腎移植を継続するための診療体制構築を目指した研究(蔵満班)」で臓器提供・移植の遂行を阻害する因子やその対策を提言いただいた。これらは次なるパンデミックの備えになるのみならず、アフターコロナの移植医療構築の礎ともいえる。コロナ禍を経て今後の移植医療の方針について概説する。

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