移植
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肝移植外科医にできる働き方改革
伊藤 孝司楊 友明穴澤 貴之政野 裕紀奥村 晋也白井 久也影山 詔一内田 洋一朗秦 浩一郎波多野 悦朗
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2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s148_2

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抄録

2024年4月から医師の時間外労働規則が開始さ予定であり、当院では時短計画案の作成や医療機関勤務環境評価センターによる第三者機関審査の準備を開始している。当科でも医師の働き方改革を開始したが、移植外科医がどのように働き方を変える必要があるかを検討した。

2022年6月時点で臨床勤務している医師が約20名在籍しており、手術、病棟・外来診療を担っている。手術件数は昨年度年間約400件で高難度肝胆膵手術が約250件(うち肝移植約50件)を行っている。また緊急手術や肝移植後の術後管理にも勤務時間を割くことが多い。当科での働き方改革として取り組んでいることは、①当直翌日は午後から休息、②脳死ドナー摘出後は翌日まで休息、③人員配置や業務内容の見直し、④⑱時以降は当直医に任せる等を開始している。しかし、高難度手術は肝胆膵高度技能医の件数に入り外科には手術件数も確保しなければならない。

 脳死下臓器摘出の互助制度では、派遣医師の人数を減らし負担を減らすことができ、有効利用できると考えている。しかし、医師の労働費、ドナー臓器摘出料の費用配分や手術器械・消耗品の費用配分など、まだまだ不確実な部分も多く制度設計が必要不可欠である。今回の検討では当科での移植に携わる外科医の働き方改革の取り組みと、互助制度の課題や解決方法を考える。

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