移植
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移植コーディネーターの後進育成
成田 円
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2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s192_1

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抄録

移植医療は、人の意思を尊重した高い倫理性を問われる医療であるにも関わらず、基礎教育の中で講義に取り上げられることは少ない。また、移植施設でない限り携わることはなく、入職してから移植医療や移植看護、(ドナー/レシピエント)移植Coの役割を初めて知り、患者さんやドナーさん、それらのご家族と関わることで移植看護の奥深さを実感するのが現状ではないだろうか。移植医、提供医、移植看護や移植Coの先駆けを担われた諸先輩方、関係するメディカルスタッフ、JOT、ドナーファミリー等のご尽力により移植医療体制が法律等により整備された今、現状維持にとどまらず今後の移植医療の発展には後進育成は欠かせない。私は看護師1年目で移植病棟に配属され、プライマリーナースとしてIgA腎症の患者さんに関わったところから移植医療に携わることができた。その後、縁あって移植医療に関する多くの経験をさせていただいた。移植病棟での研究活動、移植Coの先駆者達との出会い、看護教員、院内移植Coの立ち上げのサポート、スペインへのDAP研修の参加、JATCOでの教育活動、造血幹細胞移植医療での移植Coの立ち上げ等々である。現在は、造血幹細胞移植医療の中で、レシピエント移植Coとして勤務している。多くの経験をさせていただいた中で移植Coの後進育成を考えた時に、個人の努力も必要ではあるが、社会や組織の仕組み作りも重要であると感じる。ワークショップでは、いままでの経験知から得た育成についての考えと造血幹細胞移植領域での育成も紹介しながら、移植Coがより発展し専門性をもって活動できるような育成のあり方について、皆様とのディスカッションを通して考えていきたい。

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