2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s275_1
【背景・目的】本邦は、諸外国に比べ移植医療への理解が低く、内閣府の調査でも臓器提供に係る意思表示率は約1割である。当院では、移植医療に携わる病院として移植医療の普及・啓発活動を行ってきたが、意思表示率が低い事実すらも十分に市民に届けきれていないという課題を感じた。そこで市民に対する新たなアプローチを見出すため、2018年に在京のプロスポーツチームへ1通のメールを送ることにした。その後、プロスポーツチームや病院等の協力を得ていき活動の幅を広げることが出来た。今年度は、コロナ禍に合わせた取り組みとしてグリーンリボンマスクキャンペーンも始めた。今回、メールから膨らんだ移植医療の普及・啓発活動おける当院の取り組みを報告する【参加者】職員・職員の家族・移植者・プロスポーツチーム・市民【活動内容】①試合会場における移植医療普及・啓発活動②グリーンリボンマスクキャンペーンの立ち上げ【結果・考察】一つのきっかけでも、大きな活動の輪が出来る事が示唆され、移植に直接関わらない人を巻き込むことで、市民の目線に立ち戻れ、より伝わりやすい方法を模索する糧となった。活動を通じて、より多くの市民に意思表示の大切さを理解してもらい、意思表示が増えることで提供数の増加に繋がると考える。今後の課題は、活動を継続し更に普及啓発活動の輪を広げることである。