2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s298_3
【はじめに】1型糖尿病性腎不全の患者は、妊娠出産が困難であるが、膵腎移植をすることにより可能になると考えられている。今回、我々は、膵腎移植をすることにより、妊娠出産した1型糖尿病性腎不全の症例を経験したので報告する。
【症例】症例は、39歳代女性、AB型。10歳代で1型糖尿病を発症し、20歳代で血液透析導入。導入5年後に脳死膵腎同時移植を受けた。移植後経過良好で、移植3年後に出産を希望し、免疫抑制剤や降圧剤を調整した。移植8年後、妊娠。移植約9年後、帝王切開により男児出産。体重は2300gであった。現在まで、母子共に問題はない。
【まとめ】1型糖尿病性腎不全患者が膵腎移植をすることにより、移植膵腎機能や免疫抑制剤の調整等のハードルはあるが、妊娠出産が可能になると思われた。