移植
Online ISSN : 2188-0034
Print ISSN : 0578-7947
ISSN-L : 0578-7947
臓器提供施設連携体制構築事業の継続効果
加藤 櫻子纐纈 一枝宮島 由佳吉川 充史明石 優美剣持 敬
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s301_1

詳細
抄録

背景)当院では、2019年度から日本臓器移植ネットワークが主催する臓器提供施設連携体制構築事業に参画している。2019年、2020年は4施設、2021年は6施設、今年度は5施設と連携し継続申請中である。

目的・方法)拠点施設(当院)、連携施設において、患者・家族の崇高な意思を叶える体制作りを目標に、講演会、セミナー、シミュレーションなどを企画開催し、知識の習得や情報の共有を行っている。本事業の取り組みについて紹介する。

結果・考察)事業開始2年目には当院2例、連携施設1例の脳死下臓器提供があり、3年目には当院1例、連携施設4例の脳死下臓器提供があった。2年目からはCOVID-19感染拡大のため、本事業ではWEBを使用して、講演会、セミナーなどを継続し、参加施設のモチベーションの維持ができた。事業を継続することにより、地域の臓器提供体制の輪を広げることが可能で、連携施設全体の臓器提供に対する意識向上につながり、その結果、臓器提供数の増加につながった。

まとめ)経験のある臓器提供施設が経験の少ない施設の院内コーディネーターをはじめ関係医療者を継続的に支援していくことにより、地域の臓器提供体制基盤を強化し、地域での臓器提供数の増加に効果的であった。本事業は1年単位の事業であるが、継続することで3年目には愛知県内で連携した5施設から初の脳死下臓器提供があり、臓器提供数増加に効果を上げた。

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top