2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s364_3
【緒言】生体腎移植前検査で問題が見つかった場合、移植不成立となり、その場合の検査費用は患者の自費負担となるため、どのような要因で不成立となりうるかを明らかにし、患者負担の軽減に努めることが望ましい。【方法】2012年1月から2022年3月に当院へ生体腎移植を希望し受診された402症例を後方視的に検討した。【結果】402例のうち、腎移植施行:280例、移植不成立:122例であった。移植不成立の要因は122例のうち、ドナー要因75例、レシピエント要因47例、その他3例であった(1症例の複数要因含む)。ドナー要因は1. 腎機能が当院提供施設基準未満(50例 66.7%)、2. ドナーまたはドナー家族からの提供拒否(8例 10.7%)、3. 精神科的要因(7例 9.3%)であった。レシピエント要因は1. 免疫学的不適格(12例 25.5%)、2. 悪性腫瘍(6例 12.8%)、3. 死亡(4例 8.5%)、移植拒否(4例 8.5%)であった。【結語】ドナーは腎機能、レシピエントは免疫学的検査をまず行うことが望ましいと考えられる。