移植
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当院における先行的腎移植について
徳本 直彦瀬戸口 誠井上 泰之大坂 晃由井上 稔辻岡 博貴池添 慧梨香韮塚 あす実泉 敬太中山 哲成齋藤 一隆
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2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s248_2

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抄録

獨協医科大学埼玉医療センターでは2017年12月より生体腎移植術を開始し2023年3月末までに生体腎移植を104症例施行した。うち先行的腎移植は、55例(52.9%)であった。レシピエントは男性35例 (63.6%)、平均年齢は48.1歳。CKD原因別では、DM 19例(34.5%)が最も多く、次いで腎硬化症12例(21.8%)の順であった。ABO血型別では、適合17例(30.9%)、不適合20例(36.3%)、不一致18例(32.7%)で、54例(98.2%)は一次移植であった。ドナーは男性17例 (30.9%)、平均年齢は56.8歳で、腎採取術は、後腹膜鏡視下腎採取を全例の施行し開腹腎摘への切り替えはなかった。初診から腎移植までの平均待機期間は、7.2ヶ月(M)、腎移植後の平均観察期間は、29.8Mであった。免疫抑制療法は、Tacrolimus、Mycophenolate mofetil、methylprednisolone、basiliximabの4剤併用を基本とし、血型不適合を含めハイリスク9例は、Rituximabも加え5剤併用とした。移植後合併症は2例(3.6%)にAR(急性拒絶反応)、3例(5.5%)に術後帯状疱疹、1例(1.8%)に術後出血を認めた。現在まで54例(98.2%)生存・53例(96.4%)生着中である。以上の結果を文献的考察を加え報告する。

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