2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s248_3
【目的】日本透析医学会の統計調査では慢性維持透析患者107 人(0.043%)が腎移植ドナーとしての腎提供ありと回答した。名古屋大学の生体腎移植ドナーの予後を調査した。
【方法】対象は1998年以降に名古屋大学で生体腎移植のため腎提供したドナー167名。内2020~22年に受診した138名の最終診察時のCKD重症度分類を調査した。受診がない29名について背景を調査した。
【結果】生体腎移植ドナーのGFR区分はG2:18名(13.0%)、G3a:74名(53.6%)、G3b:44名(31.9%)G4:2名(1.5%)、蛋白尿区分はA1:103名(74.6%)、A2:25名(18.1%)、A3:5名(3.6%)、未測定5名(3.6%)であった。G4の1名は73歳男性で腎提供前の2回の実測Ccr平均は126.15mL/分であったが腎提供後に高血圧を合併し、腎提供後15年以上の経過で大動脈瘤手術を受けていた。残る1名は80歳女性で腎提供前の実測GFRは113.9で、腎提供後も10年以上安定していたが、急性腎障害後に腎機能が低下した。A3の4名では、腎提供前の高血圧合併2名、肥満1名だった。