移植
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当院で献腎移植を受けた患者から待機中の方々へお伝えしたい事
上村 恵子長坂 隆治
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2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s288_2

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抄録

【緒言】当院は年に1回一般参加も可能な勉強会(移植セミナー)を開催している。今年度は当院で献腎移植を受けた患者がパネリストとなり「献腎移植を受けた方から待機中の方へのメッセージと医療者への要望」をテーマにディスカッションして頂くセッションを設けた。【結果】パネリストは移植後16年~1か月を経過した男女6名である。簡単な自己紹介の後1待機中の気持ち2候補に挙がった時の気持ち3手術までの気持ち4医療者側への要望5待機中しておけば良かった事6移植して一番良かった事7手術後こんなはずではなかったと思う事8待機中の方へのメッセージの質問に対して順番にコメントして頂いた。【考察】待機中半ば候補に挙がる事を諦めつつも、自己の体調に気を配り心穏やかに来るべき移植に備えるという姿勢が伺えた。半面「人の死を待っているようで罪悪感を抱いていた」という声も聞かれた。また、献腎登録したからには体調を整えておく事が大切な命をつなぐ者の責務であるにも関わらず、医師から副甲状腺の手術を勧められても仕事を理由に断り続けた事を悔やむ方もいた。医療者への要望は待機中もっと移植後の情報が欲しかったという事であった。【結論】献腎移植患者からの話は、現在待機中の患者に対する激励のメッセージであり、医療者側に対しては課題の提言であった。

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