移植
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福島県立医科大学附属病院におけるレシピエント移植コーディネーターの活動~体制整備から今日の取り組みまで~
荒井 奈津希國分 希美東 孝康月田 茂之武藤 亮佐藤 直哉芳賀 淳一郎小船戸 康英石亀 輝英木村 隆見城 明丸橋 繁
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2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s288_1

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抄録

移植医療のプロセスは複雑であるため多職種による円滑なチーム医療の実践にレシピエント移植コーディネーター(以下、RTC)が重要な役割を担っている。今回、福島医大における認定RTCの活動について、体制整備からこれまでの取り組みを報告する。現在、当院では3名のRTC(肝臓2名、腎臓1名)がRTC業務を行っている。福島医大の肝臓移植では2018年から移植外来が設立され、RTCは医師の診察時に個別の面談を行い、患者及び家族の意思決定支援や術後の生活指導を行っている。移植前では、移植希望者の初回受診に関わり、臓器移植に関する説明と共に患者の家族背景を十分に理解し、倫理的な側面からも含め患者の思いに寄り添うことを念頭におき、適切な意思決定を援助している。当院では1995年から現在に至るまでに、79例の肝臓移植が実施され、現在59名の肝臓移植患者を外来フォローしている。移植外来では、RTCは初回面談から退院後面談で1日約10名の移植患者の患者と面談をしている。必要時栄養士に介入してもらい、多職種と連携して患者を支援している。昨今では、臓器提供の件数増加や移植後フォロー患者の増加など様々な業務が増えているが、個々のケースで患者に寄り添い、専門的視点を持ち、引き続き患者をサポートできる体制を作っていきたい。

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