移植
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コロナ禍の面会制限におけるICUでのリモート面会の取り組み
藤井 浩一荒居 美樹川南 陽子宮崎 裕貴
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2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s327_3

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抄録

【目的】新型コロナ流行以降、各施設において面会制限が実施されリモート面会を導入する施設が増えた。しかし新しい取り組みであるためリモート面会に関する報告は少なく各施設様々な運用であると予想される。そこで当院で実施したリモート面会の実際から有用性の検証を行うと共に導入への取り組みや課題を報告し他施設にとって参考となる情報とする。【方法】当院ICU入院患者に実施したリモート面会の実際を報告する。有用性の検証はアンケート結果と看護記録から検証する。取り組みの報告は面会基準、通信環境整備、個人情報保護など問題点や対応策、課題を報告する。【結果】患者・家族へのアンケート結果では前向きな回答が大半を占めた。また看護記録においても前向きな反応があった。導入から3年経過したが個人情報の流出やME機器への電波緩衝などトラブルなく行うことができている。【考察】アンケート結果や看護記録からリモート面会が直接面会の代替えとなることが示唆された。運用方法についても継続できる方法であると考えられる。今後の課題は自宅と病室をつなぐなどリモートの長所をより活かせるよう発展させることである。各施設面会制限緩和に向かうことが予測されるが移植治療を受ける患者は自宅から離れた施設で治療を行うことが多く必ずしも面会できる状況ではない。この報告が患者家族をつなぐ新たなツールの発展につながり看護実践の一助となることを期待する。

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