移植
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小児期に腎移植後長期経過中に関節リウマチを発症した1例
高橋 雄介藤原 拓造太田 康介後藤 隆文
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2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s340_2

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抄録

【症例】

21歳、女性。X-16年、低形成腎を原疾患とする慢性腎臓病に対し、母をドナーとする血液型適合生体腎移植実施。X-11年、移植後糖尿病(PTDM)を発症しインスリン導入された。移植後長期に渡り腎機能は安定していたが、X-4ヶ月頃より動悸を認められるようになり、ホルター心電図施行するも異常を認めなかった。X-2ヶ月頃より、右第1指のMCP関節、および左第1指のPIP関節に腫脹、疼痛が認められるとのことで当院リウマチ科紹介。

血液検査上血沈の亢進、リウマチ因子の上昇および右手MRIで右第1,2,3MCP関節にRA様の変化があり、関節リウマチの診断に至った。(ACR/EULAR 2010 RA 罹患関節:3、血清学:3、CRP:1、持続:1)

現在維持免疫抑制は変更せず、メトトレキセートを開始し症状軽快傾向にある。

【まとめ】

関節リウマチの治療薬でもある免疫抑制剤を服用している腎移植患者においては本来関節リウマチは起こりにくいと考えられ、腎移植後関節リウマチ発症に関する既報も少ない。自験例に関し、文献的考察を加え報告する。

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