移植
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スマートフォンアプリを用いた腎移植診療Dx
二村 健太島本 侑樹姫野 智紀児玉 卓也長谷川 雄基西川 涼馬青木 太郎岡田 学平光 高久鳴海 俊治渡井 至彦
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s180_1

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抄録

腎移植後の患者管理は複雑であり、免疫抑制薬の適切な投与と継続的なフォローアップが必要不可欠である。また、新型コロナウイルス感染症の流行期など、迅速な情報伝達の必要性も高まっている。

当院では2019年から腎移植患者向けの専用スマートフォンアプリ「カカリンク」を運用開始し、腎移植患者の医療管理をデジタルトランスフォーメーション(Dx)することで実臨床に役立てている。

このアプリは以下の主要な機能を提供している。

1)個別の健康管理: 自身の健康情報(血圧、体重等)を記録可能。

2)内服管理: 内服薬のスケジュールと量を入力、リマインダー機能付きで、医療者側は内服アドヒアランス(遵守率)を把握可能。

3)病院からの情報提供:感染症流行状況や適切な防御策、ワクチンの案内・推奨などの“お知らせ”を患者に配信可能。

また、随時、本アプリをバージョンアップしており、2024年からは以下の新機能も追加した。

4)ワクチン接種歴の管理:移植前後を含む接種歴の記録・管理。

5)よくある問い合わせへの回答(Q&A):体調不良時や内服忘れ、他院処方薬との飲み合わせの確認など。

これにより、患者の自己管理能力が向上し、医療者の負担軽減にも寄与している。

本発表では、2024年現在において実際に他院でもすぐに導入・活用可能なスマートフォンアプリの当院での運用方法などにつき解説する。

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