移植
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大阪大学におけるAIを用いた移植後腎機能の予測
中澤 成晃安部 政俊比嘉 洋子松村 聡一深江 彰太田中 亮角田 洋一野々村 祝夫
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s181_2

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抄録

近年、人工知能(AI)とデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、医療分野におけるデータ解析が飛躍的に向上している。腎移植の予後予測におけるAIの有用性を検討するため、大阪大学腎移植グループでは、大規模なRedcapデータベースシステムを構築し、2010年以降の全採血データを各病院から抽出した。本研究では、これらのデータを用いて、移植後3年目の推算糸球体濾過量(eGFR)を予測する機械学習モデルとしてLightGBMを使用した。解析手順として、まずデータセットを学習用とテスト用に分割し、学習データに対して交差検証法を用いてモデルの性能を検証した。その後、テストデータに対する予測性能を平均二乗誤差(MSE)にて評価した。さらに、モデルがどの特徴を重要視したかを理解するために、SHapley Additive exPlanations(SHAP)を用いて可視化を行った。その結果、LightGBMモデルは高い予測性能を示し、SHAPによる解析により各特徴量の重要性が明らかとなった。本研究は、AIとDXが腎移植の予後予測において有用であり、今後の臨床応用に向けた可能性を示すものである。

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