移植
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腎移植における私達のNightmare cases
清水 朋一平井 敏仁飯田 祥一尾本 和也乾 政志高木 敏男石田 英樹
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s186_1

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抄録

【目的】筆頭演者らが経験したNightmare casesを提示する。【症例】1.腎移植術中に超急性拒絶反応が疑われた1例症例は61歳男性。2019年11月生体腎移植術を施行。血流再開後、移植腎は最初鮮紅色になったが、その後暗赤色になった。超急性拒絶反応を疑い、ステロイド 500mg追加静注とγグロブリン30g静注したところ徐々に移植腎は鮮紅色に戻った。2.自家腎移植で移植後無機能腎になった1例症例は48歳男性。CTで右腎動脈瘤を指摘。2021年5月に動脈形成後自家腎移植術施行。血流再開後急激に血圧低下し、移植腎も暗赤色になった。昇圧剤の使用後移植腎も鮮紅色に戻っていった。翌日の移植腎超音波検査と移植3日後の移植腎シンチグラフィで移植腎に血流を認めず、腎移植後無機能腎と診断した。3.移植腎生検にて被膜下血種をきたした1例症例は40歳女性。2022年5月生体腎移植術施行。2022年12月protocol biopsy 2日後に移植腎の被膜下に血腫形成、移植腎実質を圧排し移植腎機能も低下した。同日移植腎の被膜を切開し血腫除去術施行した。4.移植腎にoutflow blockをきたした1例症例は32歳男性。2023年11月左腸骨窩生体腎移植術施行。移植腎静脈は2本で上極枝を結紮し下極枝のみを吻合。血流再開後移植腎上極を中心に暗赤色になり静脈の上極枝のoutflow block (OB)と判断し、移植腎静脈の上極枝を下極枝に端側吻合した。血流再開にてOBは解消された。【結語】上記症例を一部図示で提示する。

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