移植
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旭川医科大学病院における脳死下臓器提供シミュレーションによる院内コーディネーター教育
島田 慎吾高橋 裕之今井 浩二佐野 麻衣高橋 美香岡田 基古川 博之横尾 英樹
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s242_1

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抄録

 近年の脳死臓器提供の増加により病院内外との調整、家族へのケアなど本邦の臓器移植医療推進のために、院内コーディネーターの役割は以前に増して重要となっている。一方、院内コーディネーターへの教育は各都道府県や各病院が担っているが、日本臓器移植ネットワークが担っているドナー移植コーディネーター教育に比べると決して十分とはいえない現況である。旭川医科大学病院では約20人の看護師、メディカルソーシャルワーカー(MSW)よりなる院内コーディネーターが所属しているが、脳死とされうる状態の確認の段階から法的脳死判定、各種委員会、臓器摘出、搬送等に至るまでの一連の手順と必要な手続きについて共有し、点検・確認するために現在までに北海道移植医療推進財団と協力し病院全体をあげて全6回の脳死下臓器提供シミュレーションを行ってきている。事前に作成したシナリオを元に、医師、看護師、MSW、病院事務のメンバーで配役を担い、医師から家族へのインフォームドコンセント・選択肢提示、全体打ち合わせ、ネットワークコーディネーターから家族への説明・承諾書作成、ネットワークコーディネーターと手術部打ち合わせ などのロールプレイを1時間程度で行っている。本演題では当院での脳死下臓器提供シミュレーションと北海道移植医療推進財団の取り組みについて提示する。

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