2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s245_2
【はじめに】未だ医療者側の認識不足や取り組みが各地域・各医療機関により差が大きいことは国民に不利益である。そのため都道府県コーディネーター(都道府県CO)や院内ドナーコーディネーター(院内CO)への教育効果を踏まえ、本人や家族の臓器・組織提供の意思を確実に把握するためのセミナー実施を報告する。【方法】日本臓器移植ネットワーク(JOT)協賛を得て昨年「救急・集中治療領域医療者対象の臓器・組織提供ハンズオンセミナー」(JOT院内体制整備事業対象の共催セミナー)を開催した。内容はロールプレイングにて「適応の確認と評価」「選択肢提示」「意思決定支援」の3点を重点的に学ぶとした。【結果・アンケート】院内COの57名・ファシリテーター及びサポーター約20名にて実施した。実施後のアンケート結果から終末期選択肢の提供意思を見逃さないこと、医師の情報提供のみでは不十分で院内COを含む院内体制、都道府県COとの連携が連続的な流れの中で家族に寄り添い支援することが臓器提供への選択肢提示につながることを再認識した。【考察とまとめ】関連する各学会やJOT等の協力から担当医師負担を極めて減らし、全国の都道府県COの在り方や院内COへの教育や受講認定化等のために都道府県COや院内COへのセミナー活動継続がより臓器提供希望を見逃さない土台と期待される。