2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s243_1
日本移植コーディネーター協議会(以下JATCO)は移植コーディネーターとして基礎的な知識や情報を習得するための各種研修会やセミナー等を開催している。研修内容のニーズ把握のためJATCOでは、2020年にドナー会員227名を対象としたコーディネーター活動に関するアンケート調査を実施し(回答数87件)、院内コーディネーターはスタッフ教育、体制整備、提供対応に対して、実践的な研修会を望んでいることが示唆された。そこで会員のニーズに反映するべく新たな取り組みとして、2021年よりアドバンスセミナー、2022年より症例検討会を開催する運びとなった。アドバンスセミナーは、年1回Webにて開催し、終末期の家族支援のコミュニケーションスキルに関する内容とし、これまで計3回のべ119名が参加した。症例検討会は、症例時の疑問点・問題点についての考え方、対応方法について共有することを目的にWebにて定期的(年2回)に開催し現在まで計3回のべ122名が参加した。アドバンスセミナーおよび症例検討会開催後のアンケートでは、臓器提供に関する情報共有の場が限られている中で事例共有の機会が得られたこと、終末期患者家族への声掛けやタイミングに関する研修を受講することができたことについて満足している傾向であった。
本シンポジウムでは、JATCOの取り組みを紹介し、JATCOのコーディネーターの教育体制と今後の課題について考察する。