2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s399_3
免疫抑制薬の進歩やTDMガイドラインによる免疫抑制薬の管理に加え、移植後follow upマニュアルの遵守により腎移植後の長期経過は良好となった。また原疾患の変遷(糖尿病性腎症の増加)や血液型不適合移植、夫婦間腎移植の増加によりレシピエントの移植時年齢のみならずドナー年齢も上昇している(2018年の統計では移植時60歳以上のレシピエントは全体の24.5%、ドナーは47.3%と報告されている)。そこで当院に通院中の生体腎移植術後患者465例において、ドナー年齢(移植腎年齢)が80歳以上の症例に着目し腎機能や合併症等についてレトロスペクティブに検証した。多次移植例や献腎移植例、ドナーのデータ不明例を除外し解析した。移植腎年齢が80歳以上は89症例、eGFR=32.9mL/min/1.73m2(中央値)、移植後年数21.33年(中央値)、一方、80歳未満の症例は323例、eGFR=43.2 mL/min/1.73m2(中央値)、移植後年数12.0年(中央値)であった。また移植腎年齢最高齢は101歳で移植後44年11か月経過、レシピエントの現在の腎機能はeGFR 50.2 mL/min/1.73m2と良好。移植腎年齢80歳以上の症例と80歳未満の症例について比較検討したので詳細を報告する。