1982 年 26 巻 2 号 p. 63-67
著者らはパパイヤ種子を仮種皮を除去して15℃の前処理を30日および50日間行なうと, 発芽が著しく促進されることを報告した.そこで, 種子の発芽を調節していると考えられる一つの要因として種子の生長抑制物質をとりあげ, まず種子の生長抑制物質の存在をアベナテストにより酸性分画および中性分画について確かめた.次に15℃の前処理を30日および50日間行なった場合の種子の生長抑制物質と生長促進物質の活性の変化を酸性分画および中性分画について調査した.その結果15℃の前処理を行なうと生長抑制物質の活性が低下することが認められ, 酸性分画には僅かながら生長促進の活性が認あられた.生長抑制, 促進の活性物質の存在と種子の発芽率との関係を考察した.