熱帯農業
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ハウス栽培グアバ (Psidium guajava L.) における果実生長の特性及び果実品質に関する研究
山本 末之岩崎 直人黒木 文代
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1991 年 35 巻 4 号 p. 268-272

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抄録

ハウス栽培グアバを供試して, 果実生長の特性ならびに品質について調査するとともに, 結果枝の摘心処理が果実の生長ならびに品質に及ぼす影響についても調査した.
1.果実は開花後20~22週間で成熟期に達し, その生長は果径の変化でみると明らかな二重S字曲線を示した.
2.果実に含まれる糖は果糖及びブドウ糖で, ショ糖は検出されなかった.また, 糖及びビタミンCは果実の生育後期に蓄積が盛んであり, 成熟時には果糖及びブドウ糖でそれぞれ2.5~3.Og/100ml, 2.0~2.5g/100ml含まれていた.全ビタミンC含量は成熟時で150~250mg/100g・FWであった.
3.果実の着果位置上部の葉を4枚残して摘心処理を行なった場合果実重及び果実内成分含量が高くなった.しかしながら, 着果位置上部の葉を1枚も残さずに摘心処理した区及び着果位置下部の葉を全て摘葉処理した区では果実重ならびに果実内成分含量も無処理区に比べ劣った.
以上のことから, グアバ果実の肥大及び果実内成分の蓄積には果実周辺の葉が大きく貢献していると考えられ, 着果部位上部の葉を数枚残して摘心する事により, 果実重ならびに品質が高められると思われた.

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