熱帯農業
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茶樹の更新剪定に関する研究
第1報 成木園茶樹の夏期における剪定および断根同時処理がその後の生育に及ぼす影響について
高橋 登美雄廣瀬 友二西山 喜一
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1995 年 39 巻 1 号 p. 16-22

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抄録
茶樹の樹勢更新技術には, 浅刈り, 深刈り, 中切りなどの剪定方法がある.また, 深耕による土壌改良も樹勢更新に有効とされるが, 一般に断根を伴うため著しい樹勢劣化を招く場合が多い.そこで, より効果的な樹勢更新技術を確立することを目的として, 20年を経過し樹勢の低下した茶樹を供試し, 剪定と断根処理が樹勢回復に及ぼす影響を検討した.
1.地上部の生育および収量に及ぼす剪定の効果は良好であった.断根処理は初年度の樹勢を抑制したが, 3年目以降は回復した.
2.剪定と断根を併用することにより, とくに葉層が厚くなり, 葉の大きさが増大した.
3.このような剪定単用処理では枯枝が多く発生し, 徒長枝が多発するため摘採面が不揃いとなったが, 断根処理を組み合わせた区では軽減された.
4.剪定と断根処理の併用によって, 剪定単用処理に比べ収量の回復が早く, 新芽の品質が向上した.
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