熱帯農業
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アレイクロッピングが土壌侵食と土壌化学性に及ぼす効果
事例1. フィリピン国, タナイ試験地
Florentino C. MONSALUDEduardo P. PANINGBATAN, Jr.久馬 一剛
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1995 年 39 巻 3 号 p. 147-158

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抄録
湿潤熱帯の畑作の持続性を高めることは熱帯農学にとって現下最重要課題の一つである。アレイクロッピングはこの課題に答える可能性の高い農法であるが, その実地検証は未だ十分でない。著者らはフィリピン国, ルソン島南部の丘陵地に設けた2試験地で, アレイクロッピングの土壌侵食と土壌化学性に及ぼす効果について検証実験を試みた。本報では, リサール州タナイ地区における三年間の実験結果について報告する。
タナイ試験地圃場の土壌は, カオリン鉱物主体の粘土質土壌であり, 強酸性でチッソとリンに乏しく, 下層土の交換性アルミニウム飽和度は64~77%と高い。分類上はアメリカ方式でKandiudultに位置付けられる酸性赤色土である。
圃場の1区は幅10m, 斜面に沿って長さ12mあり, アレイクロッピング区にはその中間と下端に幅1mのヘッジロウを作った。ヘッジロウにはグリリシディアとネビアグラスを入れた区と, バナナとキャシュウナッツを入れた区を設け, 作物としてはトウモロコシとピーナッツの年各1作を繰り返した。石灰と肥料はヘッジロウにだけ入れた区と作物に施肥した区の両区を設けた。対照としては農民の慣行にならい, 無石灰, 無肥料で全面に作物を入れた。試験は4連の繰返しで行われた。
3年間の実験結果は, アレイクロッピングが土壌侵食を軽減し養分の損失を最小化することを示した。土壌侵食量は, 対照区の36 t ha-1に対しアレイクロッピング区では8 t ha-1にとどまった。また, グリリシディア/ネピアグラス―ヘッジロウの場合, 多量のマルチ資材が供給されるため, 養分の循環に大きく寄与した。ただし, 3年の実験期間には, 土壌の化学性に有意な改善効果は認められなかった。この結果からタナイ試験地でアレイクロッピングを成功させるためには石灰と肥料の施用が不可欠であることが分った。
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