日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
症例報告
バレニクリンによる禁煙治療を行った、双極性障害を合併した性同一性障害の1例
伊藤 恒大嵩 紗苗山田 仁美大塚 美幸原 千春亀井 徹正
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2016 年 11 巻 1 号 p. 4-6

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抄録
双極性障害を合併した性同一性障害の1例に対してバレニクリンによる禁煙治療を行った。外来受診時には患者の希望により姓で呼称した。バレニクリンの有害事象を認めることなく12週後禁煙に成功したが、再喫煙を繰り返した。対人的な精神的ストレスを感じた際に再喫煙していることが判明したので、ストレスを自覚した際の対処法を提案したところ、禁煙を継続することができた。性同一性障害患者に対してバレニクリンによる禁煙治療を行う際には併存する精神疾患の症状増悪や希死念慮の出現に注意するとともに、性の多様性を理解して対応することが重要である。
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© 2016 特定非営利活動法人 日本禁煙学会
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