抄録
【目 的】 統合失調症入院患者の敷地内禁煙前後で自覚症状・薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)・クロルプロマジン(CP)換算抗精神病薬処方量を調査した。
【方 法】 喫煙入院患者26名を敷地内禁煙前と禁煙3か月後・1年後で自覚症状(午前中の眠気、睡眠障害、排尿障害、むせ)、他覚症状(心拍数、QTc、排便回数)、DIEPSS(歩行、動作緩慢、流涎、筋強直、振戦、アカシシア、ジストニア、ジスキネジア)、滑舌を評価。
【結 果】 3か月後、筋強直、振戦とジスキネジアは有意に改善した。1年後、むせ以外の自覚症状とDIEPSSに有意な改善なし。滑舌とCP換算量は禁煙3か月、1年後とも有意に改善した。
【考 察】 CP換算量の減量効果は、禁煙によるCYP1A2の抑制より局所のドパミンの減少が関与していると思われる。
【結 論】 禁煙は統合失調症入院患者の自他覚症状、DIEPSSには悪影響を与えず抗精神病薬を減量できる可能性が有る。