2017 年 12 巻 4 号 p. 82-88
【目 的】 禁煙補助薬であるニコチンパッチの治療反応性に関与する因子を明らかとし、反応性を予測することを試みた。
【方 法】 ニコチンパッチによる治療を行った患者(70名)を、治療開始12週間経過時点で禁煙できた成功群と禁煙できなかった失敗群に分けて解析した。
【結 果】失敗群は33名(47.1%)だった。多変量解析を行ったところ、ニコチンパッチの治療反応性に独立して関与する因子としてTDSと基礎疾患の精神疾患が抽出され、各オッズ比は1.736(1点あがるごとに)と5.587(精神疾患なしに対してあり)であった。ニコチンパッチ治療反応性予測係数(predictive index:PI)を作成したところ、成功群に比べて失敗群で有意に高い値を示した。
【考 察】PI値は、ニコチンパッチによる禁煙治療において治療反応性を予測するための有用な手段と成り得ると考える。