日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
12 巻, 4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
巻頭言
原著
  • 谷口 千枝, 田淵 貴大, 瀬在 泉, 平野 公康, 久保田 聡美, 田中 英夫
    2017 年 12 巻 4 号 p. 73-81
    発行日: 2017/08/30
    公開日: 2017/09/23
    ジャーナル フリー

    【目 的】 日本の禁煙治療における看護師の役割の現状を明らかにすることを目的とした。

    【方 法】 ニコチン依存症管理料算定施設のうち、診療所750施設、病院350施設、計1,100施設を無作為に抽出し、質問紙調査を行った。調査票の内容は、看護師の禁煙治療での役割、支援時間、禁煙支援のスキルをどの程度学べているか等とした。

    【結 果】 調査票の回収率は25.9%であった。看護師が禁煙支援を行っている施設は63.9%であった。看護師の禁煙支援のうち、患者の禁煙後に起きる個別の問題への対処について実施率が低かった。禁煙支援のスキルを学べていると回答した施設は56.7%にとどまり、スキルを学べていないと回答した施設に比べて2.3倍(95%信頼区間:1.16~4.67)高い禁煙成功率に関連していた。

    【考 察】 今後、禁煙治療における看護師の禁煙支援に関するガイドラインやリーフレットの作成等により、看護師の禁煙支援体制の強化を目指す必要があることが示唆された。

  • 長野 明日香, 大西 司, 岩崎 睦, 山本 彩加, 石橋 正祥, 相良 博典, 巖本 三壽, 石井 正和
    2017 年 12 巻 4 号 p. 82-88
    発行日: 2017/08/30
    公開日: 2017/09/23
    ジャーナル フリー

    【目 的】 禁煙補助薬であるニコチンパッチの治療反応性に関与する因子を明らかとし、反応性を予測することを試みた。

    【方 法】 ニコチンパッチによる治療を行った患者(70名)を、治療開始12週間経過時点で禁煙できた成功群と禁煙できなかった失敗群に分けて解析した。

    【結 果】失敗群は33名(47.1%)だった。多変量解析を行ったところ、ニコチンパッチの治療反応性に独立して関与する因子としてTDSと基礎疾患の精神疾患が抽出され、各オッズ比は1.736(1点あがるごとに)と5.587(精神疾患なしに対してあり)であった。ニコチンパッチ治療反応性予測係数(predictive index:PI)を作成したところ、成功群に比べて失敗群で有意に高い値を示した。

    【考 察】PI値は、ニコチンパッチによる禁煙治療において治療反応性を予測するための有用な手段と成り得ると考える。

feedback
Top