日本禁煙学会雑誌
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全国の議会の「屋内全面禁煙」の状況と受動喫煙防止の今後の課題
-改正健康増進法の全面施行を踏まえて-
野上 浩志
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2020 年 15 巻 2 号 p. 32-37

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抄録

 改正健康増進法が2020年4月1日より全面施行され、第二種施設の国会・議会も「喫煙専用室」以外の屋内禁煙が義務付けられたので、この日までに議会が行政機関と同じく「屋内全面禁煙」となっているか否かの調査を行った。
 その結果、「屋内全面禁煙」以上(敷地内禁煙を含む)は、47の都道府県議会では26(55%)、815の全国の市議会と東京都特別区区議会では796(98%)で、これらの議会に喫煙室が残っているのは40議会(4.6%)であった。一方、国会には79の喫煙室が設置されていた。
 折しも2020年1月からの新型コロナウイルス感染症の全国および世界的広がりのなかで、4月1日から「原則屋内全面禁煙」が義務化されたことは、本感染症の広がりを少しでも食い止める一助となった可能性があると思われるが、夜間営業が主な店の一部が喫煙目的店に衣替えしたなどのリスクが懸念されるので、本感染症の抜本的な対策の一環として、議会禁煙化を含め、早急な法改正による「例外なき屋内全面禁煙」の義務付けについても考察した。

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