抄録
【目 的】 当院で出生したSmall for gestational age (SGA)児の長期予後と、両親の喫煙との関連について検討する。
【方 法】 当院の分娩簿・診療録を用いて、児の長期予後や両親の喫煙を調査した。詳細が不明な場合は調査用紙を郵送し、必要に応じて外来を受診していただいた。
【結 果】 長期追跡可能なSGA児は137例であった。そのうち約半数が喫煙関連合併症を有しており、乳幼児突然死症候群(SIDS)が2例含まれていた。妊娠初期に両親または両親のいずれかが喫煙していたのは74例(54%)で、妊娠中に多くの母(73%)は禁煙したが、ほとんどの父(98%)は喫煙を継続していた。両親または両親のいずれかが喫煙している群は、喫煙していない群に比し、有意に気管支喘息を発症していた(オッズ比6.896, p<0.05)。
【考 察】 SGA児はさまざまな合併症を有していた。児へのさまざまな合併症や悲劇的なSIDSを防ぐため、両親への妊娠早期からの禁煙指導が必要である。
【結 語】 周産期における禁煙指導は重要である。